いけばな・嵯峨御流
奈良、東大寺二月堂のお水取りも終わりました。Covid-19の影響で観客を入れない
本行で残念ですが、ありがたく春を迎えたいと念じます。
今朝はいまだ寒く、雲の中から顔を出した太陽が少しづつ気温を上げてほしいのです。
春のお彼岸、もうそこまでたどり着いた春、桜が咲きます。
新型コロナウィールスの感染は、先般来危惧していたヨーロッパで急速に広がり、
その速度にすべての国が独自の決断をしています。連帯感がEUの強さだった歴史を
覆そうとしています。連日の午後の散歩でよぎる思いは一層深くなっています。
昨日は夕日が樹木の間から光を落として足取りも軽くなり、約10メータ-先に目が留まり近づいたら<サンシュ>とその隣の<雪柳>でした。常緑樹の多い一帯でひと際
目立ちそこには一足先の春の色を見ました。<サンシュユ>は秋に真っ赤な色の実を
つけます。<雪柳>の可憐な真っ白い花と<サンシュユ>は<生花>の花材として好まれます。そのひと時、歩きながら、改めて私の生花の先生を思い馳せました。
今日は是非もなく、嵯峨御流・田中美智甫先生のご紹介をさせて頂きます。
京都、嵯峨野のある大覚寺には、嵯峨御流の華道本学院があり長い歴史を誇ります。
田中美智甫先生は、若くして<いけばな>の道を選ばれて、学院で学び、その後も
大先生の指導を受けたくて住まいを共にして数年勉強を重ねました。その徹底して
伝統を重んじた勉学の年月は田中先生の神髄に満ち溢れていて、積み上げた知識と感性で<いけばな>として完成し、最も美しい<植物>の姿を表現できるのです。
私達の社中は深い尊敬の念を持ち、現在の多忙な時代に屈せず、いかに日本の文化が
長い時間をえているか、先生のお人柄と一筋な生き方から多くを学び、指導を
頂きます。
<華展>は企画する時期による、花材の選択が季節感を重んじる嵯峨御流では最も
大事な課題です。ある時の<華展>で通常、生け上がった<いけばな>を観るけれど、
その過程を知りたいと希望された<ギャラリー>の持ち主の提案を喜ばれた田中先生が
関係者のみを招いて実現した時、驚きと慣習にとらわれない斬新さに喝采しました。
URLは<華展>が開催された<ギャラリー佑英>の案内です。
画像の左から、<桜>、<サンシュユ>と<椿>を準備中の田中先生、<雪柳>そして<田中美智甫先生とギャラリー佑英>の経営者、生け込みの後,安堵されるお二人の
いい表情です。
参加された人が質問、花瓶に入るその枝はどうして選ぶのですか、、すると答えます。
太陽に向かっていこうとする枝や花が、その方向にいたいと、私にひとりでに教えて
くれるのです、と。先生の自然を尊重する姿勢が、一番美しい植物の一面を見極めるの
です。訓練と努力、そして自然に対する深い知識と尊重を積み重ねた温かく、分かり
やすい説得力のある言葉でした。
https://koubo-90.jimdofree.com/gal
https://koubo-90.jimdofree.com/gall
上記、2xURLは田中先生と松井先生のご案内です。長年にわたる<華展>は数えきれ
ない程ですが、その伝統的にして躍動感あふれる作品は<いけばな>関係者や自然派の
人々の好感を釘付けするものです。
https://osakaengeisha.hanatown.net/
私達の教室は、大阪、天満橋の大阪園芸社、4階で毎週火曜日にお稽古します。
ぜひ、体験にてもお出かけ下さるよう、お待ちいたします。
田中先生から授業を受ける社中の先輩は、すでに何十年も教えを受け、毎週のお稽古に
まるで、初心者のように謙虚な姿勢で来られます。相好に大きな信頼があるのです。
<終わりなき道>を歩く、私達は日本古来の<華道>を誇りにしています。