ヨーロッパと日本の私

ヨーロッパで体験した事、等々

しめ縄

師走の声と共に、街にはクリスマスとお正月の商品が店頭を飾り、年末に向けて毎日は

あわただしさを増します。北の国では積雪もあり日本中が冬本番です。

 

そんなある日、同好会の人達に誘われて<しめ縄>作りに参加しました。 f:id:katsukomj:20191206170514j:plain

 

古代から継がれた日本特有の新年を祝う行事は身を正して凛とする説得力があり、

思えば私自分<しめ縄>を作った記憶がありません。両親は年末になると注文した

<しめ縄>と<門松>を飾り、子供達は掃除や片付け事、又、おせち料理作りを手伝いました。お餅つきも極寒の最中の大仕事でしたが、迎えるお正月の喜びが目前では

苦にならなかったのでしょう。

 

そんな懐かしい思いを持って、床に座り込んだら、稲穂が配られて、練る、、しかし、

練れない、、指導の先生はみんなに掌の動かし方、練り方を丁寧に教えて下さり、

参加した子供達も集中力を高めて作る喜びを知りつつ、その場は静まり返りました。

 

どの家庭でも作ったお正月の品々は、商品化されプラスチック製品が氾濫する時代を

ごく普通だと考えるのは昨今、しかし、私達から数知れない長い歴史の、又、手つくりのすばらしさを取り上げています。

人々は毎日の生活に密着している数々の物事の意味を知るべきもなく暮らしていますが <いかばかり実は多けれど頭深く垂れる稲穂かな>又<一粒の米粒には仏様が座っている>と祖父・祖母や両親に絶えず聞いていた言葉の意味を不思議と鮮明に思い出したのです。

無数の米粒のきれいな、優しい一粒一粒を掌で感じる、大変貴重な経験でした。