ヨーロッパと日本の私

ヨーロッパで体験した事、等々

クリスマス

今年もクリスマスが近づいてきましたね。

キリスト教徒でない私は、ヨーロッパで初めて迎える大きな祭典にその2000年の長い歴史の重みを知り大変感動しました。

2019年のクリスマスはクリスマスイブ24日からさかのぼって4週間前の日曜日,12月1日が<第1待降節-erste Advent>で始まります。アドウェントの週明けです。 

クリスマスが大好きな子供達はあと何日でクリスマスイブになるか指折り数えるので、この日から24日だけのクリスマス用のカレンーダーがあり毎朝日付けを開けて楽しみに待ちます。そのクリスマスイブの 日は子供達がサンタクロースに頼んでいたすばらしいプレゼントが届く日なのです。

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 それぞれの家庭は待降節用にもみの木の枝を使う飾りを作り、4本のロウソクを立てて毎週日曜日に一本ずつ点火します。

特にドイツはこの日を境にさまざまな行事や予定が組まれて人々はイエス キリストの生誕祭を祈るために毎週日曜日は教会にも行きます。新教と旧教信者が約50%づつと言われますが宗教を超えて国民の一番大事にする祭典でしょう。 

多数の学校では子供達が老人の施設、難病の子供の病院訪問等、慈善活動をして各州毎に決められた冬休みに入ります。冬季は日照時間が少ないため午後早く暗くなりますが

街角の至る所でこのお祝いを先駆けてイルミネーションが飾られて美しい光景が見られます。 

12月5日から6日の夜にかけて、子供達はサンタクロースに願ったプレゼントが入るよう

靴下を昔は暖炉の上、今ではほとんどがベッドにかけてねます。以前の習慣は手編みのいろいろな色と形は大小さまざま、現在は既にどの店頭でも販売します。

子供はその夢をさらに大きく膨らまします。

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<第2待降節ーzweite Advent>は12月8日、日曜日、この日の前には 聖ニコラウスに

ちなんで食べる<ベックマンーBeckman>があります。                 

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現在のようにクリスマスがヨーロッパに定着したのは約200年以前、しかし、古代の

実在の人物、聖ニコラウスは困難な状況の、又、貧しい人々を助ける心豊かな人でした。この人に敬意を表して習慣化したのが、よく似たパンケ―キの<ベックマンーBeckmann>で、愛用のパイプと干しブドウで顔やボタンを楽しく飾ります。

現在はどのパン屋さんも販売していますが以前は家族でたくさん作り訪問客を喜ばすのです。一年を通じて忙しいからクリスマスの前にはお互いに時間を作り午後のお茶会をして、大人も子供も一人のベックマンをお皿に盛って迎えられます。その滑稽とも思える形と発想もクリスマスの前奏曲でしょう。作り方も簡単、又、日持ちのするパンケ―キも第2待降祭頃から主婦や子供達の予定に組まれます。特に娘達はこの時期を通じて母親のそばで楽しく、真っ白になった手や顔でケ―キの作り方を学びます。それは翌年の2月頃迄、保存できるよう、又、食べる時はすでに次のクリスマスの予定などが会話に入ります。

ドイツの大手ス―パーは、8月頃からクリスマス用の商品を販売しますが、寒さや季節感のないためそれほどの売り上げにはならないでしょう。

11月頃から本格的な商品が店頭を埋め、早く用意をしたい人達でにぎわいます。

<第1待降節>から日増しに買物客で混み合いクリスマスの雰囲気を盛り立てます。

 

この頃から、毎日がクリスマスイブに近づく高揚感を誰もが持ち始め、イブの夕食の

メニュー、プレゼント等、不足がないかなんども話し合い再確認されます。特に家族が

集まるこの時期はクリスマスから新年にかけて一緒に過ごすのが大きな喜びで、なにをプレゼントするのか検討するのも大変慎重です。

そして、厳かにイエス キリストの誕生を万人と共に祝う静寂な時間を迎えます。

 

現在はその数々の雑用に追われて、旅行に行く人が増えてるのは仕方ないのですが、

平均的にドイツ人は数年後には習慣化した、すばらしいこの祭典を故郷で体験するため帰国すると言われます。

 

 次回は<第3待降節-dritte Advent>とクリスマスイブのお話をしましょうか。

読んでいただき、ありがとうございます。ご意見などお待ちしています。

 

いまだ、深く根をおろす文化が末永く続きますよう、、祈りつつ、、