桜の庄兵衛・豊中市
阪急電車、岡町駅から古い街並みを歩いて約8分、突然立派な古民家が現れます。
重要文化財、桜の庄兵衛と呼ばれるこの地では知られる奥野家です。一帯が殆ど
奥野家の表札です。明治時代からこの地方で名を高めた庄屋一家だと聞きました。
確かに広大な大阪の北東は、昔がどれだけ栄えたのか十分想像に余ります。
建物自体が当時の最高の材料と技術をもとに家屋と庭園を見事な調和で作り上げ、
その威厳と誇らしさは感動につきません。時間を止めている佇まいが美しいのです。
https://www.hokusetsu-navi.com/spot/art/syoubei/
(リンクは2種類、次回のイベントにお出かけになりませんか)
個人で管理するのはほゞ不可能ですから、ギャラリー、コンサ―ト会場として運営していて一年に数回、いいセンスのイベントを開催されます。
先日は<夏空にすず風そよぐコンサート>があり、通常なら80席の大広間を半分の
40席にして、べ―トーヴェンをピアノトリオで演奏しました。すでに過去5回、
この会場で演奏された<堀江一家>はお父さんが美声のアナウンサー、3人の立派な
音楽家の案内と演奏内容を説明されました。お二人の息子さんと、末っ子の嬢さんは、ロシアの留学を終えて帰国されたばかりです。静まり返った大広間に響く音楽は実に
幻想的です。高い天井は吹き抜けの建築法で、楽器の音を空に届ける理想的な環境で
あり、ひと時<蝉>の啼き声も混じったりして、夏のコンサートに一段と華やかさを加えました。40人の観賞者は申し込みが増えて次の日の2回に分ける結果でした。
関西の若手の音楽家、今後を大いに期待できる堀江トリオの活躍を願いました。
youtu.be この<YouTube>では一部に先日の様子をご覧いただけます。
その会場を、美しくマッチして一段と引き立てたのが <いけばな> でした。
田中美智甫先生と松井清志先生のお二人は、すでに数回の<いけばな合同展>を
この会場で繰り返す<お気に入り>の会場なのです。
上の写真は、演奏者と観客を<ソシアルヂィスタンス>としていけられましたが、
楽器の音色で水面が揺れていたと近くにいた人から聞いて、ことさら感動しました。
嵯峨御流は古典派の歴史を誇る<いけばな>ですが、ひとたび、この立派な古民家に
いけられると突然、すべての植物や花に新しい生命が吹き込まれるような錯覚を
感じます。猛暑にも関わらず、生き生きと会場で輝いていました。
音楽もいけばなも、お互いの芸術性を高く表現して 良識を
「つなぐ」夏のコンサートでした。