ヨーロッパと日本の私

ヨーロッパで体験した事、等々

大阪・造幣局の通り抜け

        皆さんはご存知でしょうか?

新型コロナウィールス(COVID-19)の感染対策により、今年の通り抜けは

<キャンセル>となりました !! 大阪の春の風物詩として最も知名度が高く、昨年の花見客は約60万人と聞きました。4月中旬、満開の桜をたっぷりと見る一週間、

今年の桜を楽しみにしておられる人達がどんなに多数おられる事でしょう。

このキャンセルは、もちろん<通り抜け>が始まって以来初めての事で残念です。

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連日の新型コロナウィールスの影響が至る所で問題化されるのを身近に感じながらも、

それでも、折々には春の風や光を感じて一息つき、もうすぐ桜も咲く、、と思う方も

大勢おられるでしょう。桜は日本人の心情に最も大きな喜びを与えてくれる花です

特に造幣局の桜は<日本桜名所100選>の名に恥じない美しい桜が135種類もあり、実に

その樹木も300本を越えます。一年を通じて専門家の丹念な手入れで、見事に開花して

来場者を夢の世界に誘います。晴れた日も、雨も、美しい夕日、夜景、どの時間でも

その美しさと気品を、まじかに観られて時間を忘れます。

 

独立行政法人、大阪本局は明治3年創設、長い歴史を持ち、主な製造品目は硬貨、勲章

褒章等、又、1964年の東京オリンピックに続き、札幌、長野冬季オリンピックの全部の

勲章を作りました。現在は2020年、夏のオリンピックの全勲章作りの真っ最中です。

 

私の 両親は1954年の夏、当時は至る所に戦争の焼け跡があり、荒れ地だった造幣局

一角に土地を買い、家を建てました。戦災を免れて残っている明治時代の街並みと家屋が印象的な場所に住み始めたのです。両親は池を作り金魚やメダカを育て、小さな

畑には野菜と花も植え、小鳥、犬、猫もいました。自然を大事にする教育と場所を

私達に与えてくれたのです。

造幣局は近所の子供達との連日の遊びの場、当時は出入りが簡単で、桜の咲く頃は

楽しみに通い、どこに私の好きな吉野桜があり、楊貴妃が咲いているか、

その開花模様を両親に報告したりでした。<通り抜け>が一般公開される前には

大川の両岸の川辺では見事な桜並木が堪能でき、源八橋、桜の宮橋、川崎橋、天満橋と天神橋の辺りまで,およそ2km位は美しい桜並木を歩けるのです。

 

すでに36年前,私の父は<通り抜け>のある日、脳梗塞で突然亡くなりました。

交通制限の厳しくなかった頃、家の前を花見客が一日中大勢歩く、そんな夕方救急車は

父を病院に搬送したのです。突然すぎる衝撃にくれる母の姿はドイツで知らせを受けた私の体をブルブルとふるわせました。後日<花と散る>と言葉で表現した母を今でも

忘れる事ができません。その後、法事で帰国する度に私は再び<造幣局の通り抜け>を新鮮な思いを加えて毎朝夕の散策をして、亡夫と帰国の時も一緒にほゞ日課として

歩きました。

<桜の季節>はこうして私の心の深い場所にあります。桜が美しすぎて、見ている

だけで涙があふれて止まらず、泣いて泣き疲れて、新たな力を見つけたのです。

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さて、<2020年の桜=春日井・かすがい>はホームぺージで選べるそうですから、

ぜひ、挑戦して下さるよう、応援いたしております。

https://www.mint.go.jp/enjoy/toorinuke/sakura_osaka_news_ 

 

人間がいかなる変化をとげても、自然の恵みで美しい桜は静かに開花の時を待って

います。造幣局初めての今年のキャンセルをどんなに悔しい思いか,咲き誇る<桜>の

気持ちが聞きたいですね。

来年はさらに見事な咲きぶりを誇って私達を迎えてくれると信じましょう。