ヨーロッパと日本の私

ヨーロッパで体験した事、等々

ラパルマ島の山火事

今日もテレビは、アメリカ、カリフォルニア州の火事を放送しています。

広大な地域に広がる火事の現状に加えて、特にコロナ感染の問題もあり、

消防士の熱風の中での作業を報道しています。異常気象で雷が原因の発火が至る

所であり、いまだ消火が終わっていません。現場は想像を絶する熱風で疲労度は

倍増します。大自然は惨い傷跡を残し、近隣の住民は災害の惨たらしさと闘います。

 

www.la-palma24.info

    とうとう、今年もラパルマ島でも山火事が発生しました !!!

       どうぞ、上記のリンクをご覧ください。

 

今日の報道では消し止めたとの事、黒い山が確認できます。島の北部は特に有名な

カナリー松の群生地、アーモンドの産地、果物も一年中収穫できます。消防車の

到着は遅れ、少ない消防用のへリコプター、消防員もコロナ感染を予防しながらの

作業となりました。

 

私が、あの美しいラパルマ島で一番恐れたのが山火事でした。毎年夏になると

山火事が起こらないようにと願いました。病弱の主人、2匹の犬と避難する状況を

予想するだけで、又、住み慣れた家を焼かれ、庭の植物が全部焼ける事は

想像さえできなかったのです。

度々、島の別の地域で発生する火事を、地元のテレビで見て、夜の山や村が

真っ赤に炎をあげているのを見た時はほんとうに震えました。急斜面の山は

消防車もたどり着けません。朝になるのを待ち、火事の現場からかなり離れた

ところの植物を伐採して引火しないようにして消えるのを待ちます。

 

雨の降らない数か月が続き自然は乾燥しきっています。秋になり雨が降る迄、

なんとか火事が発生しないようにと願うある日、買物に行く昼前の車中、山の麓で

黒い煙の固まりの上がるのが見えました。風の強い日でもあり、嫌な予感がして

早々に帰宅しました。

まさに、それは3日も続く大きな火事の始まりで、正午過ぎには、私の家の上に

ある山に引火して、道路は通行禁止となり消火活動が始まりました。一部の家には

避難命令が出て、その人達は体一つで家を後にしました。強い風の向きは火の方向を

一瞬にして変える、、と地元の人達は知っていて、村の男性は全員消火作業に

つき、自宅、近所と区別なく水をまきました。この訓練された適格で早い

仕事ぶりを見て、いかに火事を恐れる習慣があるのか知りました。私の近所の

人達は、私が独り住まいなのを知っていて、家の屋根、庭を濡らすため、

助けてくれました。

急変する火の方向で作業がさらに難しくなるから避難準備をするようにと言われて

自動車に貴重品から食料品、水を摘んで車も進行方向にとめて待ちました。

<市役所からの命令で避難>となり、隣の家族も一緒にと話し合い、火の手が

近くに迫った時に避難しました。家と付近が見える場所で車を止めて3時間位

待ちました。

一度、鎮火したとの知らせがあり、帰宅したら、テラスには松かさの焦げたのや、

小枝の燃えたのが一杯でした。焦げた匂い,灰で酷い汚れなので、水を巻き、

しかし、風に吹かれて灰がすぐ吹き溜まりました。火事で辺りは一段と熱くなり、

気温も50度位でした。夜になると、残っていた火が再び燃えて、家の100m位の

所まで燃え始め大きな松の木がメラメラを燃えているのです。夜は行動範囲も

狭くなるので、もう一度避難の支度をしました。外国人は殆どの人がホテルか

海岸で一夜を過ごしたと後日聞きましたが、私は大事な家を守りたい一心でした。

翌日からは、庭の隅々を調べ、家の掃除を数日欠けて、嫌な焦げ跡の匂いを

取りました。着の身着のまま、靴も2日間脱がず、身体にしみついた煙の臭いは

数日間、取れないような気持でした。

     一瞬たりとも気を緩められない強烈な経験でした。

 

その時の火事は日本のテレビでも報道されて、当日、次の日と問い合わせが続き、

お礼の時、話すともう一度、恐怖感が戻り、自然発火であれ、人災であれ、

この島の火事が現地でいかに恐れられているのか再度知りました。

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    友人は、私に力をだせ、、とイラストで励ましたくれました。

 

日本に住むようになって、いまだ大きな火事に遭遇しないのを幸せだと思います。