ヨーロッパと日本の私

ヨーロッパで体験した事、等々

カダケスの児山重芳画伯

新型コロナウィールスの猛烈な反響が、私達の日常を歯止めして、不安と恐怖に

落とし込んだ今年の初めから、いまだ立ち上げれないのに、第2波かとも想定する

感染者が増えています。WHOが世界中のデ―タを示すニュースを、改めて

意識すべきではないでしょうか。ガイドラインが作られたとしても、すでに多くの

分野で感染対策を取りながら開場、開催して入場者を制限しながら経営しています。

人々は、普通に見ていた美しいもの,できた事、文化、芸術一般にも飢えているの

でしょうか。

 

外務省の統計によると、現在、各国の日本領事館に登録されている日本人は

世界中で60万人いるそうです。登録されているだけでも、日本の中都市の人口で、

そのほか、短期滞在者を含めれば、さらに大勢の人が外国に住んでいます。

この度のコロナ規制で出国・帰国できない、、その人達の心境を思っています。 

 

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    (地中海のカダケスは人口約3000人の小さな入り江の多い港街) 

 

少なくとも、2年に一度は家族一緒に帰国している、スペイン、カダケスに30年

以上住んでいる児山家の皆さんに<暑中見舞い>をしました。折り返しのメールは

淡々と近況が書かれていて安心するお互いです。現在、地元カダケスで個展を

開催中で<テーマは岩と魚>と聞きました。

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            (画像はWikipediaから借りました)

 

初めて知り合ったのが1985年、Duesseldorf のAlt Stadt=旧市街、黒ビールの

一番おいしい古い酒蔵の中でした。仕事帰りによく立ち寄る主人と私は、狭い

部屋の中で親子3人がビールを飲んでいるけど、どうも、東洋人?と思い

<コンバンハ>とソロリと声をかけたら即答で<コンバンハ>。その時点で私達は

止めどなくお話をしました。

児山画伯はその頃、すでにヨーロッパで画家として10年のキャリアがあり、Duesseldorfで一番有名な<Conzen ギャラリー> で個展を開き、そのため家族で

滞在中だったのです。一人娘の康子さんは黒い髪と明るい目が印象的でした。f:id:katsukomj:20200725123711j:plainGalería Kabutoya | Koyama

https://www.koyamacadaques.com/galeria-kabutoya/

(児山画伯の履歴、個展等をご覧下さい。ネット販売もヤフオフ、楽天で可能です)

 

1970年代、若い世代の飛躍は夢を乗せて世界中に展開したのです。画家として出発

した児山画伯は、ヨーロッパに向け、落ち着いた先は、知る人ぞ知る<芸術家の天国>とも言われるカダケスでした。その間には、バルセロナや有名なマヨルカ島で過ごしますが、静かなヒッソリとしたカダケスに帰り、家とアトリエを建て、ここを

永住の地と決めたのでしょう。世界中の芸術家の目指すこの街には、ギャラリーが

数千個もあると聞いていますが、児山画伯の知名度とその水準の高さは有名に

なりました。

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ある夏、私達夫妻はラパルマ島からDuesseldorfに帰る途中、バルセロナで降りて、

高速バスに乗り換えて60kmのカダケスの児山家を訪ねました。実に身に余る丁寧な

歓待を貰いました。鏡を敷いたような静かな海で小型船に乗り、なんと、大西洋の

パルマ島と違う優しい環境だろうと驚いたのです。ここなら、児山画伯のモチーフは限りなくあり時間を止めたように、いい作品が描けるはず、、と主人と話したのです。

 

<禅>の印象が強いと、作品を大変尊重した主人は、日本人の繊細な深い

思想に触れて喜び、私達のお付き合いは信頼深くなり、当時から今日まで、

ほんとうにかけがえのないすばらしいお友達です。児山夫人自身、藍染

ろうけつ染めをされ、私達の結婚祝いにすばらしい暖簾を頂き、ラパルマの家に

大きな喜びを添えていました。

 

地中海は穏やかな入り江が多くて魅力的なので、この地に別荘を持つヨ-ロッパ

中の人達が多く、芸術に関する高い知識と好みを持つ人が、児山画伯の作品を

一段と育てた一面もあると思います。気さくな人柄と温かい家族に恵まれて、

その制作は年月を重ねる程に磨きあげられ、私達夫妻はラパルマの一部屋にその

作品を飾るコーナーを設けて楽しみました。

本帰国の準備中に、すべてが離れがたいオリジナルの作品ばかりを、日本に

持ち帰れないと、千代子さんと政雄さんに相談したら、一部を喜んで受け取って

貰い、一部はいつも褒めていたドイツ人家族に渡りました。いずれも大喜びの

結果でした。

特に千代子さんと政雄さんは、是非もなく、カダケス迄行ってお目にかかりたいと。 

 

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大阪、堺市出身の児山さんは<お好み焼き>をご馳走されたのです。遠来の

お客様はどんなに感激して喜んだことでしょう。今でもよく噂をします。

 

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<まるで、生きている<イカ>の目、この作品を頂いた時の主人は、しばらく見入って

芸術家は永遠に描ける人生を送れるのだなぁ、、と感動しました。

 

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夫人の<縁の下の力持ち>とかわいい孫娘2人と娘夫妻、ガッチリと強い絆が充実している芸術家とその家族です。

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カダケスの個展会場でマスク姿のご家族です。テーマは<石と魚>夏らしいですね。  

    これからも末永く美しい作品をドンドン世の中に届けてください!!