ヨーロッパと日本の私

ヨーロッパで体験した事、等々

アーモンドの花

   カナリー諸島はアーモンドの花盛りの季節を迎えました。

友人は早速、写メールを送ってくれました。昨年は雨が少なくて困ったのにも

関わらず、立派な花を無数に咲かしています。

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特にラパルマ島はこの木に適した気候と風土で古くから大事な収入源だと聞きました。

手入れをしなくても強くしっかりと育ちます。私達の庭にも数本あり花が満開の時

毎年写真を撮り母に送りました。どこか桃の、桜の花に似ていてバラ科の植物です。

毎年、1月から2月にかけて島中がアーモンドの花の虜になり、2月の第1の週末は北部

Puntagorda市でお祭りがありその年のアーモンド女王が選ばれます。島の内外から

来る人々で賑わい、花の香り、青い空、柑橘類の果物の色に包まれるお祭りです。

 

初めてのラパルマでは見るもの、聞くものが、珍しい私達はある日、舗装されていない道を帰宅中、へこんだ穴に山ほどのアーモンドの外皮が捨てられているので驚き、

その上に住む住民に聞いたら、今日は家族全員でアーモンドの保存をする日だと

言います。その家は当時4世代が住んでいて、数人が座り込み、小さなへこんだ石の上に固い実をのせて1個づつ叩き中身をだします。家族の一年分の保存食、お菓子、素焼きやス―プと料理全般にかなりの消費量でしょう。<ものを買う>のを必要としない

生活が延々と続いているのです。

 

2月頃の満開の後、8月頃から。大きな樹の下にネットを置き男性が木に登り、

パンパンと棒で実を落とします。大きな袋に詰めて納屋に置き、そして時間のある時の仕事です。この手仕事はいつの頃からか少なくなり、最近事情は<買う>のかも?  f:id:katsukomj:20200117172058j:plain

私もなんども試したけれど、手が痛くなるばかり、1kg位その年の味覚としてつぶす

だけでした。そして残りは落ちたまま、結局はネズミの餌になりました。

ネズミは実に賢い動物です。石垣が多い島で棲み家は至る所にあり、あの小さな身体と口で、石のように硬いアーモンドの外皮の一角をかじり爪先で中身を取り出すのです。

まさに、ネズミも人間同様、保存食を保管する場所があり、屋根の上のずれそうな瓦の下に隠すのです。必ず同じ道を移動して、場所の変更もなく他の動物にもとられません。

 

パルマ島、又、他の島の人々も、南米ベネズエラへ移住する事が夢であった時代、

実際に広大な国土を目指して多くの人々が移住する時、必ず船には、食料としてアーモンドが積み込まれたそうです。栄養価が高く大西洋の旅を達成するために欠かせなかったのです。

現在はアメリカ、カリホㇽ二ヤ産がどこでも手に入ります。日本でももちろん売って

いますが大変高いので驚きます。国内でも生産され始めていますが、需要に対応できるかどうか気候の違いもあり課題も残ると思います。

アーモンド乳、調理用オイル、肌用のオイル、、等、すばらしい果実なのです。

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