ヨーロッパと日本の私

ヨーロッパで体験した事、等々

イチゴと思い出

 

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「畑愛好会」にとって「緊急非常宣言」は悲痛な情報でした。広大な畑の至る所に

収穫まじかの野菜が一杯で、手分けして、手入れしても収穫をしきれない春を

迎える事になったのです。私は人類も自然も植物もCovid19の大きな被害者だと

気づいた頃、イチゴの子株の手入れを依頼されました。春が、収穫予定の5月が、

どんな状況下にあるか、でも、一生懸命伸びる小さな若葉は逞しく、又、好きな土を

触りながら、その日は、コロナの不安からかなり解放されたのです。

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そして、5月、子供達は(距離とマスク)着用で畑に来て、真っ赤に熟したイチゴを

摘めたのです。よかった、、明るい子供達がさぞ、喜んだでしょう !!

 

ドイツ中部地帯には斜面の地、丘、小川、なだらかな広大な土地がえんえんと広がり

私の自宅から30分位自動車で走れば、国道沿いに<イチゴ狩り>の看板が目に止まり

ます。隣の奥さんが、毎年私達に摘みたてのイチゴやジャムを下さるので、一度私の

車で行く事にして、日本人の友人とその息子を同伴しました。ドイツ人と結婚した

友人は待ち侘びた子供ができて<目に入れても痛くない>程、その半日はピクニック
気分で外出して、まず、イチゴの食べ放題です。そして、自宅用に籠一杯買いました。

広いイチゴ畑で、私達は日本で経験した事のない喜びと楽しみに弾んでいました。

ステファン(友人の息子、5才)が突然、ママ、イチゴは木につらさがってないの?と

聞いたのです。ハットする私達でした。なるほど、知りようもない事です。

Duesseldorf 大学病院の脳外科の優秀な医師になったステファン、自分の4歳の子供を連れて郊外のイチゴ狩りに行っているような気がしてなりません。  

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その事を聞いて大変喜んだ私の主人は、実に、私の知らないイチゴの手入れ法をその日教えてくれました。台所一杯のイチゴを洗い、拭いて、ヘタを取る時に、私が小さな

ナイフを使いヘタを取ろうとしていたら、違う、、違う、、と。イチゴを手に取り、ユックリとヘタを回して外すのだと言いながら、手ほどきします。すると、確かに大事な実を傷めないし減らさない。私達はテラスに座り込んで、数キロのイチゴを冷凍用、ジャム等、仕分けしました。数年続いたイチゴ狩りと主人の懐かしい思い出です。

 

主人はお母さんに教えてもらったのかしら、それとも、ドイツ人は自然に知っているのだろうか、、ほほえましく、温かい主人の一面を記憶に戻しながら、自身で手入れした

イチゴが格段の味覚となりました。