stay home、、追記
D I Y(do it yourself)で学んだ事は、その後の私達夫婦の暮らしを
心豊かにしました。
改築や改造は、普通新築よりも経済的に負担が大きいと言われますが、私達は
二人とも物質的な点にこだわらず、快適か便利かを日常生活の軸にしていました。
木材や石、素朴な材料が好ましいので、友人や知人が探してくれる材料で十分に
役立ち、どこか個性のある家と庭に仕上がりました。
いい人達に囲まれて頑丈な家に住み、自然がいっぱいの環境で生きたい、、まさに
主人が最初からいい続けた言葉が形になり始めたのです。
2匹の愛犬、Bella&Dozoと一緒にいる意味と喜びが日々の豊かな感情を
増しました。同時に、生き物たちの姿も見えるようになり、ある日はテラスの
木の中でカナリアが巣を作り、卵を産み、雛が育つのを知ります。犬達は
届かないけど、人の気配のする場所を知っていたのです。小さな生命が至る所で
一生懸命でした。
主人は、当初、私に田舎生活のメリット・デメリットを説得しました。
子供の頃の経験から、私は(蛇)がいなければ、、といいのだと言いました。
乾燥した大西洋の気候で(蛇)はいない、しかし、(ムカデ=百足)はいました。
それも、大きな石の下などにいて、工事の人が石を持ち上げたら、約13センチ位の
大きな(ムカデ)がいて、工具で切り離していました。無眼と言われるムカデは
暗い所で潜んでいます。近所のスイス人は捕まえて<瓶>にいれて見せに来たり
しました。窓やドアを開け放しにすると、入ってくる事もあります。毒性のある
唯一の肉食動物ですが、幸いにも被害を受けていません。
現地の人は、島で唯一の害のある生き物として、噛まれたら保健所に行くようにと
教えてくれました。
台所に(蟻)が入ってきて行列ができるのは、管理が悪いから、薬品は使いたく
ないので、レモンや酢を刷り込んで道を閉じました。(蟻)も(ムカデ)も
古代からの生き物、私達よりはるかに多くの生きる知恵を持っているのだと
知りました。
(ヤモリ)は(家守)と同じですか。ラパルマ島で(gecko) や(salamander )と
呼ばれ、大変愛される小さな爬虫類動物です。夜になるのが待たれるのは、
この小さなヤモリが家中のコントロールをしてくれるような気がするからです。
(幸運の前兆)とか(縁起が良い)と現地の人達も言いました。小さな虫、蚊,
蜘などを食べてくれて、家中がきれいになるからでしょうか。
(ラパルマ島のシンボル、土産店の一番の売り上げでしょう)
主人の亡くなった時、主人と両親の遺影をサイドボードの上に置き、朝晩の水、
花、炊き立てのご飯のある時、珍しい果物等、日本のご仏前のような一角を
作りました。
そこには、主人の遺灰の一部もあり、帰国する時に持ち帰る予定でした。
実家で両親が守り続けた習慣を私もこの時から始めたのです。
当初は気がつかなった、、しばらくして、なんと(ヤモリ)が壁をつたい
降りてきて、水を飲み、ご飯を食べているのです!!
時々は2-3匹が一緒で、持ち場があるらしくケンカをしているのです。
なんともほほえましい出来事です。このかわいいヤモリとの絆でも潤うようになり、
留守にする事にも配慮しました。不在中はどうするのだろう、、でも、帰宅して
そこにご飯粒や水を置くと喜んで集まりました。主人がいたら、どんなに
喜んだでしょう、私はこのヤモリとの関りを、愛犬Bella&Dozoと同じように
慈しみました。
すべては、自然の恵み、生き物も植物も、精一杯生きている事をすばらしいと。
私の周辺には無限に、限りなくエネルギーを貰う生き物達がいたのです。