ヨーロッパと日本の私

ヨーロッパで体験した事、等々

桜にありがとう、、

満開の桜の下に立ち、咲き誇る花びらや、まだこれからたくさん咲きそうな蕾を

観て、、ふと、ありがとう、、と心から思いました。今年の桜は見事な咲きぶりで、

特にソメイヨシノの多いこの近辺で、私はほゞ毎日歩き、立ち止まって眺めて、又、

歩きました。そして新型コロナウィルス猛威の最中に、この美しい桜を見る事が

できたのを感謝せずにいられなかったのです。自宅近辺にある桜を大勢の人が

同じ思いで見られたのではないでしょうか。

毎週の予定は<延期・閉鎖>となり、余った時間を桜を見る事にしたいと、蕾の頃考えていたのは、これ程に堪能する事だと気づかず天気さえよければ、毎日平均3km位歩いて、すでに葉桜になっても、その微妙な変化と季節感を喜んでいます。いつ天候が

変わってもいいように、思い残すことがないように、そして、来年も今年と同じ

気持ちで桜に向き合えるようにと。 

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 時を止めていたい、、と思ったのは、短い帰国をしたある春、施設にいる母を

ヘルパーさんが車いすに乗せて、桜を見に行きましょう、と誘ってくれた事です。

青い空が眩しく、桜は今とばかりに満開、あたりにはいろいろな種類の桜がある

場所で<楊貴妃>の赤いドップリとした風貌をみて喜ぶ母の笑顔が子供のように

純粋な表情となり、私はドキッとしました。きれいね、、きれいね、、と繰り返す

その日の私達はほんとうに幸せでした。ヘルパーさんは母が施設に入る前から自宅で

母の世話をして下さった人なので、私達に大事な思い出を用意して下さったのです。

人の情けにふれ、美しい桜と急に老いていく母の弱々しい姿に帰路の飛行機の中で

泣きました。あの日はまるで昨日のように鮮明で懐かしさでいっぱいです。